オタマジャクシのしっぽは吸収され絶食期のエネルギー源となると言われますが成体器官の出現と幼生器官の消失といった有尾から無尾への変態のクライマックスシーンが急速に展開されますので観察すると興味深いです。
アポトーシス(プログラムされた細胞の死)のプロセスにより尾の消失が始まりますが死んだアポトーシス細胞は主にマクロファージの貪食作用により処理されます。
マクロファージは免疫細胞として細菌やウィルスなどの異物を食べるだけでなく抗原提示細胞として他の細胞に異物の情報を伝達する役目もありますので尾の吸収が始まりやがて終了したという情報も伝達されて変態に大きく影響するのではないでしょうか。
一般的に前肢が確認出来ると上陸を意識しますが私は上陸を「待つ」のではなく水深を浅くしたり容器を傾けたりして「促す」ようにしています。
変態のクライマックスに於いては尾や口といった外見の変化だけでなく肺や腸など臓器の変化もドラスティックに起こります。
また、皮膚の色素胞の構造変化もこの時期起こりますので一般的なアマガエルなどは体色が緑色に変化します。
水中から早めに出すことで一気に変態が完了するのではないかと考えています。
オタマジャクシの頃と異なり餌を食べ出すと生き餌の調達が大変になりますが食べてくれると安心します。
ちなみにオタマジャクシはコプロファジーと言って糞食性なので綺麗に掃除しないことがポイントです。
動画は上陸させて2時間程度の変化をまとめています。
僅かな時間でカエルらしさが出て来たと思いませんか?
著者について