両生類とビタミンA

投稿者:wawa

両生類とビタミンA

X投稿より

両生類のサプリメントとしてはカルシウム、ビタミン、枯草菌、乳酸菌、酪酸菌を使用しています。
ビタミンはビタミンAのアプローチが異なるテトラ レプチゾルとGEX EXO TERRAマルチビタミンを併用しています。
今回はビタミンAについての重要な内容となります。

動物はプロビタミンAカロテノイドを自ら合成することができませんので食事から摂取する必要があります。
両生類は体組織からβ-カロテンなどカロテノイドが検出されていますがβ-カロテンをビタミンAに変換し利用することができるのかどうかはわかっていません。

いくつかの研究でβ-カロテンを分解できないことが推定され、いくつかの研究でβ-カロテンの繁殖率への有効性または分解利用の可能性が推定されています。
そのため両生類にはβ-カロテンだけでなくビタミンAを含むサプリメントを併用し与えることが望ましいと考えられています。
ただし、ビタミンAは脂溶性であるため主に肝臓に蓄積し過剰症となる場合がありますので与えすぎには注意する必要があります。
また、ビタミンD代謝を妨げることから代謝性骨疾患と関連づけられることもあります。

一方、β-カロテンなどのプロビタミンAカロテンは必要な分だけが小腸で酵素によりビタミンAに変換されますので過剰摂取はないとされています。
注)上記のように両生類のβ-カロテンのビタミンA変換はエビデンス不足です。

ビタミンAは細胞の成長、分化に関わる重要なビタミンですが飼育下に於ける両生類の主要な餌となる昆虫食ではビタミンAは不足するといわれています。
ビタミンA欠乏症の代表的な症状に短舌症候群(STS)があります。
これは両生類が獲物を捕らえることが下手になる様子から舌が短くななったと考えられたため名付けられましたが実際に舌が短くなるわけではありません。

まず、両生類の捕食メカニズムをカエルの例で説明します。
カエルの捕食はネズミの脳と同等の柔らかさを持つ舌と特殊な性質を持つ唾液の組み合わせで成り立っています。

カエルの唾液は二相粘弾性流体と呼ばれる非ニュートン性流体で唾液に加わるせん断応力によって粘性と弾性の性質が変化します。
具体的には普通の状態では唾液は粘りと弾力がありますが舌が獲物に到達すると舌を押し出す圧力により唾液は水のように流動的に変化し獲物の体の隙間にくまなく流れ込み獲物を包み込みます。流れ込んだ唾液は圧力から解放されることで再び濃く粘性を帯びた状態に戻り獲物は逃げることができなくなります。カエルが獲物を口内へ戻すと次は目の下がる圧力により再び唾液が液体に変化し獲物が舌から離れることで飲み込むことができます。

人の舌は重層扁平上皮という角質化する粘膜で覆われていますがカエルの舌は粘液を産生する細胞を含む非角化上皮で覆われています。
ビタミンAが欠乏すると複数の臓器で細胞変化が起こることがありますが舌が影響を受けると正常な細胞が角質化する扁平上皮細胞に置き換わる変化が確認できます(扁平上皮化生)。

扁平上皮化生が重層化すると唾液腺が完全に塞がれるとこで唾液の分泌が止まり両生類は餌を捕まえて食べたくても餌を摂取することが困難になり体重減少や無気力状態に陥りやがて衰弱し死亡します。

この短舌症候群は1〜2種類の昆虫のみを与えられている場合に特に発症しやすく潜在的に問題を抱えている両生類は多いと言われています。
例えば回転率の悪いショップでコオロギだけを長期間与えられているような例が該当します。
尚、扁平上皮化生が腎臓で発生する場合は皮下リンパ嚢や体腔内の体液貯留による浮腫症候群が見られるようになります。

最後に注意点としてテトラ レプチゾルにビタミンB12が含有していると記載している販売サイトが非常に多いですがこれはニコチンアミド(ビタミンB3)の間違いです。
2年前にスペクトラムブランズジャパン社へ指摘したことがありますが本家サイトの表示が一部訂正されたのみです。

ビタミンB12が欠乏すると免疫系が損なわれますがビタミンB12 は腸内細菌によって生成されますのでプロバイオティクスで腸内環境を整えるようにしています。
また昆虫にはビタミンB群が多く含まれています。

※小動物へのサプリメントは用法用量を守って正しくお使いください。
特にオタマジャクシ、幼生、幼体に使用する場合やビタミン添加された人工飼料を与えている場合は逆効果になる場合もあります。

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