家畜や養殖魚用の「飼料」をペットやペットの餌となる小動物の餌に用いる例は多く見られます。
食卓に上るまでの育成を前提とする家畜や養殖魚(家畜等)と終生飼育または繁殖を目的とするペットとは飼育目的が異なる点を忘れてはいけません。 飼料添加物の残留基準については食品衛生法に基づくため人間が家畜等を摂取しても健康を損なわない量として設定されており小動物が対象でないことに留意して使用する責任があります。
飼料については飼料安全法(飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律)に定めがあり成分規格や使用できる飼料添加物が決まっています。
飼料添加物とは飼料安全法施行規則で、 ①飼料の品質の低下の防止 ②飼料の栄養成分その他の有効成分の補給 ③飼料が含有している栄養成分の有効な利用の促進 と用途が定められており、②のアミノ酸やビタミン、ミネラルが広く知られていますが、①の抗酸化剤や防かび剤、③の合成抗菌剤や抗生物質(抗菌性飼料添加物)なども含まれています。
厳格な基準が存在することから多くの飼料に飼料添加物が含まれているのではないでしょうか。
また飼料安全法の対象とならない餌類でも準じた製法で作られているものが存在します。
表示に関しては飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令の別表第1に定めがあり飼料添加物の名称及び量が記載されることになっていますので内容を確認しておくことが重要です。
残留基準についてはポジティブリスト制度に基づき残留基準が個別に設けられたものや一律基準値(0.01ppm)以下と定められたものがありますが、あくまで人間のADI(一日摂取許容量)が基準となっています。
尚、アミノ酸やビタミン、ミネラルはポジティブリスト制度の対象外となっています。
これらの飼料添加物を使った飼料や餌類をペットに与える場合、常在菌が弱ったり死滅することで生体バランスが崩れる可能性や、長期投与による耐性菌の増加など一定のリスク管理が必要になると考えられます。
特に免疫に関わる乳酸菌は薬剤に弱いことから積極的な補充が望ましいとも考えられますが乳酸菌の連続投与は腸壁を薄くするなどマイナス効果の指摘もあります。
小動物は人間ほど腸内細菌叢との共生関係が複雑ではなく、そもそも定着が困難である可能性があります。
生体にとって益菌とされるものには一定の薬剤耐性を持つものがあり併用して使用することが望ましいと考えられます。
一般的には酪酸菌や枯草菌が環境に対する耐性が優れていいることから乳酸菌と併用して使用され、人間用の生菌製剤にも3タイプの益菌を有効活用した商品が存在します。
またこれらの益菌は腸内で酸素濃度の比較的高い前腸(人間の場合は小腸)に枯草菌、中程度の中腸(人間の場合は小腸~大腸)に乳酸菌、酸素濃度の低い後腸(人間の場合は大腸)に酪酸菌と住み分けをし、それぞれの増殖を助ける役目も果たしています。
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