龍の起源

投稿者:wawa

龍の起源

X投稿より

龍は神話に登場する動物で実在しないためタツノオトシゴを辰年のモチーフに使うことが多いです。
8L程度のタンクにエアーレーション、換水、バクテリアのみで約半年1匹も落ちることなく50匹は維持できています。
来年は少しタンクを大きくし繁殖を検討しています。

現存する最古の龍は8,000年前に遡り、遼寧省阜新モンゴル族自治県にある査海遺跡で発見された全長19.2mに及ぶトーテムの石塚龍であると言われています。
トーテムとは特定の動植物を部族の祖先として考えそのシンボルを崇拝する文化現象のことを言います。
龍の他にヘビとカエルの彫刻が出土していることから強さの象徴であるヘビと子孫繁栄の象徴であるカエルを崇拝する部族が存在し、共通して巨龍を崇拝していたと言われています。

トーテム信仰には他部族のトーテムを吸収し新しいトーテムを創造する例が見られます。
龍の起源は諸説ありますがヘビであるという考え方が専門家の間では定説となっています。
査海遺跡からはカエルを咥えたヘビの彫刻も出土されていますので査海の人々はカエルの繁殖力を取り込んだヘビにカエルの手足を生やした原始龍を創造し部族の繁栄を祈願していたのかもしれません。

また、勘が鋭い方は気付いたかもしれませんが遺跡の発見はその地に定住し農耕を始めていた可能性を示唆します。
事実査海遺跡からは農具が発見され後の農耕を主とした紅山文化の源流の一つとなっています。
農耕にとっての害虫を食べるカエルと増えすぎたカエルを食べるヘビが信仰の対象になることは自然なことに思えます。
手足の無いオタマジャクシにはやがて手足が芽生えカエルになり水中から上陸し生活の場を変えます。
同じ理屈で手足が無いヘビが成長すると手足が生え別の形の生物になると考えたのかもしれません。
手足が生えたヘビは見かけることがないため、それは人知れず陸から空へ飛び立ったのではないかと考え星座や雷などに龍の姿を重ねることでより一層神格化を加速させた可能性もあります。

中国語で龍は「龙(lóng)」と言い、農業の「农(nóng)」に由来するという説もあります。
天体を観測し、季節の変化の法則をまとめた「二十四節季」は古代農耕文明の知恵であり現代まで受け継がれています。
※ヘビ&カエルのキマイラ説とヘビ=オタマジャクシ説は個人の見解になります。

2024年は辰年になりますが十天干十二地支では甲辰(きのえたつ)に該当します。
十天干十二地支の組み合わせは60通りあり、一周すると人は60歳の還暦を迎えることになります。

また、陰陽五行思想によると甲は陽の木に属し、辰は陽の土に属します。
両者は「木剋土」すなわち木が土を抑制する関係にあります。
概念的な考えなので植物の木、土壌の土だけの意味ではありませんが、肥え過ぎた土から木が栄養を吸収し減らすことで秩序が保たれると考えることができます。
このような考え方はアクアでも共通する部分があります。

ところで「龍」が「辰」と対応するのは何故でしょうか。
「辰」の字はハマグリ農具説がありますが、実際には農具で掘り出した地虫や豆虫などの害虫が目覚めて蠢く様子を表していると言われています。
「振る」、「振動」、「震撼」、「地震」など辰を使う言葉からふるえるイメージが浮かびます。

十二支には時間を記録する目的もあり、始まりから終わりまでを表す意味が込められています。
例えば、「子」には陽気のもとで万物が芽吹くという意味があり、「亥」には万物が収蔵される(核となる)意味があります。
そして「辰」には物が震えた後に成長するという意味が与えられています。
成長を表す文字ですので5番目、時間で表すと午前の7時から9時に該当します。

また動物の活動時間や特徴に基づき決められ、ネズミは午後11時から翌日の午後 1時まで活発に活動し、午後9時から午後11時はイノシシは深い眠りにつき大きないびきをかき全身の筋肉が震え体の成長が最も早い時間となります。
そして午前の7時から9時は龍が雨を降らせる時刻になります。

そして陰と陽の概念により動物の足の指が奇数か偶数によって陰と陽にまとめられています。
ネズミは前肢4本、後肢5本と奇偶同体であり希少価値から第一にランクされています。
龍は5本で奇数とされていますが龍の指の数には重要な意味があります。
長くなりますのでここでは割愛することにします。
因みに足の無いヘビは舌が二股に分かれており偶数とされています。

十二支の起源について、現在確認できる最古の史料は、湖北省雲夢睡虎地で発掘された秦代の竹簡となりますが、現代のものと若干の違いがあり辰に対応する記載がありません。
現代と同じ十二支が書かれた最古の文献は、漢時代の王充が著した「論衡」であり、23巻の「言毒篇」の中に、「辰は龍、巳は蛇、辰巳は東南にある。龍には毒があり、蛇には棘があり、マムシには牙があり、龍には逆鱗がある。木は火を起こし、火は毒であるため、蒼龍の獣は火星を含む」という記載があります。
ここで言う火星はMarsの火星ではなく蒼龍星(サソリ座)の心臓にあたる、明るく輝く一等星アンタレスのことを指しています。
蒼龍とは天の四霊の青龍、白虎、朱雀、玄武の青龍を指すことは言うまでもありません。

実在しないものの龍やドラゴン神話は世界中にあり共通するイメージも少なくありません。
古代人は星座や自然現象など共通のものを見て想像力を膨らませていたのかもしれませんが、それがすでに絶滅した生物であったと考えるのも一興と言えませんか?

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